介護食でとろみが必要な理由は、誤嚥(ごえん)を防ぐためです。
誤嚥とは、加齢により飲み込む筋力が落ちてきたり、食べて飲み込むという行為についての判断力の低下やその正確性が衰えてくることが原因で、食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまうことをいいます。
介護食に必要なとろみの役割は、以下2つです。
・食べ物や飲み物を喉へゆっくりと送る。
・食べ物をまとまりやすくし、簡単に飲み込めるようにする。
介護食にとろみを付けることで、飲み込みが弱い方でも安全に食事をすることができます。
そこで、日本摂食嚥下リハビリテーション学会では、嚥下障害者のためのとろみ付き液体を、薄いとろみ、中間のとろみ、濃いとろみの3段階に分けて表示しています。以下に学会が公表しているとろみの基準を引用します。
1.薄いとろみ
薄いとろみとは、中間のとろみほどのとろみの程度がなくても誤嚥しないより軽度の症例を対象としている。口に入れると口腔内に広がる。飲み込む際に大きな力は要しない。コップを傾けると落ちるのが少し遅いと感じるが、コップの移 し替えは容易である。細いスプーンでも十分に吸える。中間のとろみよりもとろみの程度が軽いため、患者の受け入れ良い。
2.中間のとろみ
中間のとろみとは、明らかにとろみがあることを感じるが、「drink」するという表現が適切なとろみの程度である。口腔内での動態はゆっくりですぐに広がらず、舌の上でまとめやすい。スプーンで混ぜると少し表面に混ぜ跡が残る。スプーンですくってもあまりこぼれない。コップから飲むこともできるが、細いストローで吸うには力がいるため、ストローで飲む場合には太いものを用意する必要がある。
3.濃いとろみ
濃いとろみとは、重度の嚥下障害の症例を対象としたとろみの程度である。中間のとろみで誤嚥のリスクがある症例でも、安全に飲める可能性がある。明らかなとろみがついており、まとまりが良く、送り込むのに力が必要である。スプーンで「eat」するという表現が適切で、ストローの使用には適していない。コップを傾けてもすぐに縁まで落ちてこない。フォークの歯でも少しはすくえる。
(日本摂食嚥下リハビリテーション学会より)
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