【離乳食のとろみの必要性について】
~離乳食前期(5~6か月)の場合~
そもそも離乳食を始める必要性というのは、それまで母乳やミルクで補えていた栄養分(特に炭水化物)が、脳の発達に必要な量を補えなくなることからです。
その為、離乳食では炭水化物の主食(米・パン粥・お芋など)からの離乳食開始が推奨されています。
ではなぜ、母乳やミルクはとろみ無しでも飲めるのに、離乳食にとろみが必要なのかというと、全身の姿勢、下顎・舌・口唇の動きが関係しています。
赤ちゃんは、解剖学的に、母乳やミルクは寝ている状態でも、鼻呼吸しながら飲めるようになっています。
しかし、離乳食は“食べること・噛むこと”をメインとして教えていきます。
その為、やや起こした姿勢(ベビーラック等)で、食べ物を舌の上で処理することを教えることが必要となります。
この5~6か月の時期は、ごっくん期とよく言われますが、それまで赤ちゃんが母乳やミルクを飲むための チュッチュッ といった動き(下顎は上下動・舌は前後動・口唇は未分離)を
使って食べ物の処理を教えていく時期です。
赤ちゃんは、やや起きた姿勢でミルクを飲むのと同じ動きで、食べものを処理します。
そのため、とろみがついていなければ、舌の前後動で食べ物はお口の外へと全部出てしまい、処理することが出来ません。
とろみを付けることで、舌のチュッチュッといった動きでの処理が可能となり、食べることに関する基礎を教えていくことが出来ます。
この5~6か月の母乳やミルクを飲むのと、同じ動きを使った食べものの処理の仕方は、今後噛むことにつながる第一歩のお口の動きの段階です。
またこの時期は、口唇が開いたまま チュッチュッといった動きを行う時期のため、私たち大人と同じように唇を閉じた状態で、食べ物を処理することはまだ出来ません。
このような理由から、とろみの必要性はまた理解して頂けるかと思います。
成人の方では、とろみを付けるとなると誤嚥(食べ物が気管や肺に入ってしまうこと)予防がメインとなることが多いのですが、
小児に関しては処理(噛むことへ繋げる)の為につけることが多いです。目的の違いがあります。
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