誤嚥防止のためにとろみを付ける重要性

●なぜ誤嚥を防ぐためにとろみが重要なのか

接触性誤嚥障害を持つ方にとってもっとも誤嚥のリスクが高い食品が水です。
私たちの喉は食べ物が通過する部分と空気が通過する部分が途中まで一緒になっています。
このままでは誤って肺に食べ物や飲み物が入ってしまう心配がありますが、それを防ぐために、食べものや飲み物が入ってきたら、
空気の通り道である喉頭を閉じて、食道を開いて食べものを通します。
喉頭を閉じて気道を開く動きは、わずか0.5秒から0.8秒の間に行われ、この素早く絶妙なタイミングの動きによって誤嚥が防がれています。

水は口腔や咽頭内を素早く移動し、ばらばらになりやすい性質があります。
そのため、嚥下と喉頭をふさぎ、食道を開くタイミングと合わせにくく、誤嚥を起こしやすいのです。
この水の流動性を抑えて凝集性を高めるためにとろみを付けます。
とろみを付けることでまとまった形で咽頭内をゆっくりと流れ、誤嚥を防ぐことにつながります。

●とろみの濃度

とろみといっても、薄いとろみ、中程度のとろみ、濃いとろみといったタイプがあります。
それぞれの方にあったとろみを付けてあげましょう。
薄いとろみは口の中に入れると広がる程度のとろみのことです。飲み込むのにそれほど力は要りません。細いストローでも十分に吸えます。
食事をする人にとっては受けがよいです。
中程度のとろみは口の中でゆっくりと動き、まとまりが出来る程度のことです。スプーンですくってもあまりこぼれず、
コップから移すことは出来ますがストローで吸うのは難しいです。
濃いとろみは中程度のとろみでも誤嚥の心配がある方に向いています。
明らかにとろみがついていて、口の中でよくまとまります。
とろみが強いほど飲み込むには力が必要です。コップを傾けても落ちてきません。ストローでは吸うことは出来ません。
このようにとろみのタイプによって特徴が違い、食事をする人がおいしく食べられるかや、とろみが濃いほど飲み込みに力が必要なことを考えて、
とろみを付けることが大切です。

●とろみの注意点

とろみを付けるためにはオブラートやとろみ調整剤、片栗粉などを使用します。
とろみ調整剤はさまざまなメーカーから販売されていて、使用量はそれぞれのメーカーによって異なります。
同じ程度のとろみを付けるにも違う商品ではとろみ調整剤の使用量が変わってくるので注意が必要です。
一つの製品を使い続けることで安定したとろみを付けられるようになることでしょう。

●まとめ

誤嚥を防ぐためにはとろみを付けることが重要です。
とろみを付けることで飲み込みやすくなりますが、とろみの程度にも気をつけてみて下さい。

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