■とろみについて
摂食嚥下障害をもっている人は、スプーン一杯の水でもおぼれてしまうといわれるほどなので、誤嚥を防ぐことが大切です。
通常咽頭内の喉頭は空気を肺や気管内に空気を取り入れ、水や食べ物が咽頭内に流入すると喉頭をを閉じて食べ物を飲み込み食道へと
流れていきます。
ただ喉頭を閉じて食道を開く時間は0.5秒程度であるため、水のような流動性の高い食品は嚥下とのタイミングがあいにくく誤嚥のリスクを
高くしてしまいます。
このような誤嚥を防ぐためには、流動性を抑えることが大切です。
流動性の高い水などはとろみを付けることで、ゆっくりと流れるようになるため、誤嚥のリスクも低下させることが出来ます。
とろみを付けるといっても、嚥下障害の程度によって3段階に分けられます。
軽度の嚥下障害であれば、薄いとろみを基準とし、細いストローでも十分に吸えるとろみとなります。
中間のとろみは薄いとろみよりもとろみがあることを感じますが、太いストローでなら吸えるとろみです。
中間のとろみは舌の上でまとめやすく、スプーンですくってもこぼれにくいのが特徴です。
濃いとろみは重度の嚥下障害がある人を対象としていて、コップをかたむけてもすぐに縁までは落ちてこない程度のとろみとなります。
水やお茶などの液体は、固形物よりも喉に流れ込むスピードが速いため誤嚥のリスクが高くなります。
また通常食べ物をかみ砕き、飲み込むためには唾液や舌でまとめていきますが、舌の機能が低下したり唾液の分泌が少なくなると、
うまく食べ物をまとめることが出来なくなってしまいますから、粘度をつけて飲み込みやすくしてあげる必要があります。
■誤嚥は肺炎にもつながる
高齢者になると食事中に突然むせるというケースが多くなりますが、これは加齢によって喉の筋肉が衰えてしまい、
食べ物や飲み物が喉に流れ込むスピードに嚥下反応が対応出来なくなり、気道に誤って流れ込んでしまい、防御反応が出ているのが原因です。
誤嚥はただむせるだけではなく、肺にまで食べ物が入ってしまうと肺炎を起こしてしまう可能性も高くなりますから、
とろみを付けて喉に流れ込むスピードを遅らせることが大切です。
とろみを付ける方法としては、片栗粉などがありますが、最近は粉末で簡単にとろみを付けることが出来る商品なども販売されています。
自分にあった方法でとろみを付けるようにしましょう。
また、健全な嚥下を行うためには日頃からの心がけも大切なので、口腔内を清潔にして反応を敏感にすることも大事です。
この記事へのコメントはありません。