オブラートの歩み

現代の人の中にはオブラートが一体何なのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
ここではオブラートがどのように作られたのか、どのように日本で進化したのか、という事について紹介します。

オブラートがいつ誕生したのかはわからない

実はオブラートがいつ出来上がったのかははっきりしていません。
ただしオブラートの誕生はかなり古いと考えられており、例えばドイツの教会では聖体拝領が行われる時、
キリストの体に例えられたパンを供える代わりに丸い小型の薄焼きせんべいのようなものが供えられていたことがあります。
これは薬を服用するときに使われていたと考えられており、これがオブラートだったのではないかと考えられています。
つまり、これこそオブラートの始まりだったのではないかと言えるのです。

オブラートが日本にやってきた

そんなオブラートは明治初期、日本にやってきました。
当時はかなり高価なもので、一般の人々が購入出来るようなものではなかったのです。そのため日本人は自分たちでオブラートを作るようになりました。
しかし、この頃のオブラートはかつてのドイツのものと同じく、硬いものでした。
今のオブラートは柔らかくなっていますが、当時はまだ柔らかいオブラートは存在しなかったのです。
柔らかいオブラートは医者である小林政太郎という人物が開発しました。
彼がお正月に寒天で料理をしていた時、たまたま寒天が下に落ちて薄く広がり、ここからアイディアを得たと言われています。
今までのオブラートは柔軟剤を用いて無理矢理柔らかくされていましたが、大正11年にドライヤーを利用して柔らかいオブラートを作る方法が発見され、
柔軟剤を使わずにオブラートを柔らかくすることが可能になったのです。

オブラートが使われているお菓子

今はあまりオブラートが使われていませんが、第二次世界大戦が終わった後は薬用に使われるよりもお菓子用として使われるオブラートがたくさんありました。
特に飴をオブラートで包んでべたつかないように食べたり、キャラメルやゼリーなどもオブラートで包んで食べたりしていたのです。
しかし昭和25年、砂糖が出回るようになり、オブラートが一気に姿を表さなくなりました。
それでも現在では人気があり、お弁当を作る時などにオブラートが利用されています。

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